私たち人間が普段から口にしているものでも、 ペットには毒物となってしまう食べ物が沢山あります。
◆タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニクなど n-プロピルジスルフィドという成分により、 赤血球が壊され、貧血や血尿を起こします。 この毒物は加熱にも強いので、 シチューやハンバーグ、スープなどの 調理したものでも中毒を起こす可能性があります。 ◆ヒトの鎮痛剤、風邪薬 これらの薬の成分に含まれることがある アセトアミノフェンが中毒を引き起こします。 なんとなく具合が悪そうだから、 体が痛そうだからといって、 決して人間用の薬を飲ませてはいけません。 ◆チョコレート チョコレートにはテオブロミンという物質が含まれています。 特にカカオ含有量が高いチョコレートは大変危険です。 嘔吐、下痢、けいれん、ふるえなどを起こす可能性があります。 ◆コーヒー、紅茶などカフェインを含むもの 犬や猫はカフェインによって、 過度な興奮、頻脈や不整脈を引き起こす可能性があります。 ふるえやけいれんを起こすこともあります。 カフェインを含むものには、コーヒー、紅茶の他にも、 玉露や抹茶、コーラ、ココア、栄養ドリンクなどが挙げられます。 またコーヒー豆や茶葉にもカフェインが含まれています。 ◆キシリトール キシリトールは犬に対してインスリンの分泌作用があるため、 一度に大量のキシリトールを摂取すると、 急激な低血糖を起こしてしまいます。 低血糖にすぐに対処できないと、 意識混濁や発作を起こし、死亡してしまうこともあります。 虫歯予防として、人間のキシリトールガムを与えたり、 人間用の歯磨き粉を使わないようにしましょう。 ◆ブドウ、レーズン 毒物は特定されていませんが、 嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こし、 数日後に急性腎不全を発症します。 上記に挙げた毒物は、ほんの一部に過ぎません。 食べ物以外でも、ユリやチューリップなどの花、 アロエなどの観葉植物は動物にとって毒性の強いものが多いです。 何が毒物になり得るのか、知っておくことも必要ですが、 日頃から、食べてはいけないものを口にしないように、 飼い主の皆さまが気を付けて防いであげることで、 ほとんどの毒物からペットを守ってあげることができます✨✨ ●テーブルの上のもの、カバン、ゴミ箱を ペットの届かないところへ置く。 ●散歩中は犬を先に歩かせないようにし、 リードを短く持つ、口輪をつけるなど 拾い食いに気を付ける。 ●留守番させるときはケージに入れる。 ●食卓が無人になるときは 料理や食材をペットの届かないところへ置く。 また、くわえているものを離す訓練や、 リードをつけているときは拾い食いをしない訓練をしておけば、 とっさの時に役に立つことがあるかもしれません。 当然のことですが、 人間の食べ物は与えないようにしましょう。 もらえることが当たり前になってしまうと、 テーブルの上やキッチンなどに 必要以上に興味を持つようになります💦 ペットはおいしそうな匂いにつられたり、 いつも飼い主さんが口にされるものに興味を持ちやすく、 それが誤食につながってしまうことが多いです。 うちのこは大丈夫と思っていても、 日々気を付けてあげて下さいね🙆 ◆もし食べてしまったときは… 1.いつ?(〇分前に、〇時〇分頃に、など具体的に) 2.なにを? 3.どれくらい(量)食べてしまったのか? を確認して、できるだけ早くご来院下さい❗️ 来院される際は、 誤食してしまったものの現物や成分が表記されたものを 持ってきていただくと診察がスムーズです。 例:人間用の薬、殺虫剤、道端に落ちていた木の実など… 食べてすぐの場合は、吐かせる処置をすることができます。 食べて時間が経過している場合は、 身体検査や血液検査で状態を把握したり、 点滴や投薬で解毒を促すことができますが、 手遅れになってしまうこともあるので、 様子を見ずにできるだけ早くご来院下さい。