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【短頭種気道症候群】

2019年4月22日

短頭種気道症候群とは・・・
短頭種(フレンチブルドッグ・パグ・シーズーなど)に多く見られる
鼻孔(鼻のあな)が狭い、
軟口蓋(喉にある鼻腔と口腔を隔てる壁)が長い、
気管が細い など・・・
先天的な解剖学的異常が原因で気道(吸った空気の通り道)が
狭く、息が吸いにくくなっている病態のことです。
気道が狭いため、動物は強く息を吸い込むようになります。
これは喉や気管などに変形、腫れ、炎症などを引き起こし、
気道はより狭くなり、さらに強く息を吸うようになるという
悪循環を引き起こします。

症状

呼吸時の喘鳴音(ぜいめいおん・ヒューヒューといった呼吸音)、
激しいパンティング(ハーハーといった速い呼吸音)、
運動するとすぐに息が上がって休む、
睡眠中のいびき などです。
進行するとチアノーゼ(皮膚や粘膜色が青っぽくなる)、
失神、呼吸困難など
致命的な症状を引き起こすこともあります。

診断と治療開始の時期

現在、重篤な症状はないが、病態が進行してきている場合は
治療を始めたほうが良いと私は考えています。
病態の進行度は、
最終的にはレントゲン所見から判断いたしますが、
安静にしているときや、運動しているときの呼吸の仕方や、
睡眠時のいびきの大きさも参考になります。
いびきの音が大きい場合や月齢が進むにつれて
徐々に大きくなってきている場合は、
気道が徐々に狭くなってきていると考えられ、
治療が必要となっている場合が多いです。

治療

気道を広げるための外科治療を行います。
1・鼻孔形成術
鼻の一部を切除して鼻孔を広げます。
 
↑手術前

↑手術後
 
2・軟口蓋切除術
軟口蓋(喉の奥で鼻腔と口腔を隔てる壁)が長く、
これが気道の入口にかぶさっている場合は、
これを適度な長さになるように切除し、その断面を縫合します。

↑長い軟口蓋

↑切除し縫合した軟口蓋

多くの場合がこの2つの手術で充分ですが、
重篤な病態にまで進行している場合は、
喉の軟骨の一部切除するなど、他の手術が必要なこともあります。

まとめ

呼吸音やいびきがうるさい、
昔よりいびきが大きくなってきた、
これらの症状は短頭種気道症候群に限らず、
なんらかの原因で気道が狭くなっている可能性があり、
治療が必要かもしれません。
気になることがございましたら、
一度来院されることをお勧めいたします。


院長・中埜彦毅