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【ネコちゃんの鼻血】

2020年10月19日

こんにちは。獣医師の竹中です。
今回はネコちゃんの鼻血の原因についてです。
鼻から血が出ていても、一概に鼻の中に出血の原因がある
というわけではありません。
原因としてあげられるのは・・・



①ネコ風邪鼻の中のできもの高血圧歯の根元の細菌感染凝固異常(血が固まりにくい)

など

ネコ風邪

ウイルス感染による鼻炎で、
他にも症状として目ヤニが出ます。
季節の変わり目や高齢など
免疫力が低下している時に発症します。
鼻血が出てしまうのは、
ネコ風邪が慢性化してしまった子に多いです。



②できもの

鼻の中にできものがあり、
できものが大きくなると
顔の形が変わってしまう子もいます。
できものの有無を調べるには、
レントゲン検査など画像診断が必要になります。
ネコちゃんに多いとされているのはリンパ腫という癌です。
癌の種類を確定させるには、鼻に細い管を入れたりして
生検をする必要があります。



③高血圧

血圧が高すぎると、
興奮時や運動時に鼻の中の細い血管が切れてしまいます。
腎不全の子は高血圧になりやすいため、
確認には、
血圧測定と腎臓の項目の血液検査が必要になります。
ここで問題になってくるのが、
ネコちゃんは病院に来ると
大体の子が興奮で血圧が高めに出てしまうので、
正確な数値を出すことが難しいことです。
そこで、まず血液検査をして、
腎不全が見つかった子には
血管を広げるお薬(血管拡張薬)を開始します。
これによって腎臓の負担も減らせますし、
血圧の低下も狙えます。
お薬を飲み始めて鼻血が出なくなったようであれば、
高血圧によるものと分かります。



歯周病によって、
上顎の犬歯などの
鼻に近い部位の歯の根元が膿んでしまい、
上あごが溶けてしまっているパターンです。
歯科用のレントゲンで撮影することで
正しく診断をすることができます。



⑤凝固異常

血を固める成分が
生まれつき少ない病気にかかっているなどです。
他にも、慢性的な炎症疾患にかかっている場合、
血を固める血小板が少なくなり、
簡単に出血することがあります(DIC)。




お薬で改善するものもあれば、
抜歯などの外科処置が必要になったりするものもあり、
治療方針が全く変わってきます。

検査によっては高額になるものもあるため、
まずは受診していただいて、
ご家族と話し合いながら
一緒に検査や治療方針を決めることが大切だと思います。

 
 
 
 
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